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2020年07月26日(日)
今日のスタッフのおすすめ
〇クロツグ 前庭
本日は、この季節に是非ご注目いただきたい植物と、その香りをご紹介いたします。
植物館入口の自動扉外、立体花壇のわきにあるクロツグです。
夢の島のクロツグは今が花の時期です。葉が茂り緑一色だった株に、
小さなオレンジ色の花が房状となり無数に開花します。
その花からはクロツグ特有の良い香りがします。
バラとは違い「クロツグの香り」が、どんなものなのか思い浮かぶ方は少ないと思います。
甘い香りと表現する方もいますが、もっとたよりない夏の夕暮れの香り。
この季節の湿気や天気も一緒に思い出すような、そんな香りがします。
写真のとおり、花は少し重たい質感で、花弁が散ることなくそのまま落花します。
例えるなら、少し丸みのある疑似餌でしょうか?
そして、開花後に結実した実は、大きなビー玉のようです。
目の高さとまではいきませんが、あまり高くない位置で花も実も観察ができます。
ご来館の際には、入口あたりで、ふと漂うクロツグの香りに気づいてください。
2020年07月25日(土)
今日のスタッフのおすすめ
〇スイレン 前庭
夏の朝、正門前や前庭のプールで色とりどりのスイレンが涼し気に咲きだします。
植物館の何か所かでご覧いただけるスイレンには温帯性と熱帯性がありますが、Aドーム内にあるピンク色の大振りなスイレンは夜咲きのため、なかなかお客様がご覧になる機会がありません。
水辺に咲くこの花は古くから人々に愛されてきました。古代エジプトの壁画では人々がスイレンを手にし、髪飾りや花束、そして神様にささげている様子が描かれています。
昼咲きの青いスイレンは花から甘い香りがただよい古代エジプト人に好まれたようですが、夜咲きの白いスイレンも「ナイルの花嫁」と呼ばれ、現在もエジプトの国花とされているそうです。
また白いスイレンの実をひき、粉にしてパンを焼いたようです。いったい、どんな味がしたのでしょうか。
スイレンの絵といえば印象派の巨匠モネの絵が有名ですね。
当時のヨーロッパには、スイレンといえば白い温帯性が一般的だったようです。
1889年に開かれたパリ万博ではエッフェル塔が建設され人々の注目を浴びました。
そして、もう一つ注目されたのが、色とりどりのスイレンでした。
白しか見たことのなかった人々は、色のあるスイレンに驚き魅了されました。その見物客の中にモネがいたようです。
モネは自宅に隣接する土地を買うと水の庭を作り、彩色品種のスイレンを作った園芸家から何種類ものスイレンを取り寄せました。
また水の庭には、日本風の太鼓橋がかけられました。橋のモデルは歌川広重の浮世絵「亀戸天神境内」だといわれています。
モネの橋は緑色に塗られましたが、スイレンの池に太鼓橋のかかる風景画をモネは何枚も残しました。
亀戸天神社は藤の名所として知られた神社で、夢の島からは車で20分ほど、都バスと徒歩で40分位のところにあります。
朝一番に当館のスイレンを観覧したあとに亀戸天神様の太鼓橋を渡れば、ちょっとモネ気分になれるかもしれません。
2020年07月19日(日)
今日のスタッフのおすすめ
〇ルリマツリ 前庭、
三連花壇7月も半ば、気温が高くなり始め熱帯植物が、いっそう活き活きとして見えます。
熱帯植物と聞くと、ヘリコニアやトーチジンジャーなどの燃えるような極彩色の花を思い浮かべてしまいますが、今回ご紹介する「ルリマツリ」は、まさに熱帯の涼。
ルリマツリは遠目からだと水色の大きな花が咲いているように見えますが、近くで見ると枝先に可愛らしい小花がブーケのようにまとまって咲いています。
青色には人をリラックスさせる効果があるそうです。風に揺れる涼しげなルリマツリを見て、疲れた心と体を癒してください。
皆様のご来館をお待ちしております。
2020年07月18日(土)
今日のスタッフのおすすめ
〇バンダ イベントホール
本日は、イベントホールで濃紫色の花が目を引くバンダをご紹介いたします。
花は直径8~10センチメートルくらいで、ラン科の中では大きめです。
花びらを近くで見ると美しい網目模様が入っています。
花の他に注目していただきたいのが、根です。
根を水苔などに植えこまず、むき出しのまま吊り下げてあります。
自生地の植生に近づけているので、こうした展示方法になっています。
自生地では、樹高の高い木に着生し、根(気根)をたくさん生やして空気中の水分を集めることによって生長しています。
2020年07月16日(木)
みごろの花
夢の島熱帯植物館の「みごろの花」をご紹介いたします。
【大温室】
①コエビソウ Aドーム
うっすらと赤い花びらのような部分は苞と呼ばれ、よく見ると葉が変形しているものです。
花の本体は苞から飛び出した白い筒状の部分、エビのしっぽにも見えるところになります。
②ヘリコニア・ロストラータ Aドーム
熱帯の花のイメージにぴったりな花。鮮やかな赤い色の部分は苞になります。
垂れ下がるような咲き方が、私たちの目を楽しませてくれます。
③トーチジンジャー Bドーム
蕾のもの、丁度咲き始めたころのもの、
満開なものと、いろいろな表情のトーチジンジャーが今の時期見ることができます。
④リョウリバナナ、アカバナナ Bドーム
うっかり素通りしてしまうかもしれません、通路の頭上に青々としたリョウリバナナが、
その近くにアカバナナ、下にはサンジャクバナナがあります。
見つけてみてくださいね。
⑤タイワンハマオモト Cドーム
すっと長く伸びた花茎にヒガンバナにも似た白い花を咲かせます。
ツヤツヤと光沢のある大きな葉にもびっくり。
【前庭】
⑥ルリマツリ
薄青色の花が夏空の下で咲き始めました。
涼し気で可憐な花は蒸し暑い季節に涼を与えてくれます。
植物館では、今回ご紹介した「みごろの花たち」のマップもご用意しております。
是非、この機会に植物館にいらしてみてはいかがでしょうか。
2020年07月12日(日)
今日のスタッフのおすすめ
〇モンステラ Aドーム
大きく切れ込みのある独特な葉の形をしたモンステラ。
南国のイメージとしてプリント柄などで、
多く目にされる方も多いのではないでしょうか。
茎をよく見ると小さな根が大きく育ち、長い根が出ていることから、
つる性着生植物の由縁が分かります。
Aドームの滝に近づいたら上を見上げてみて下さい。
花は白くラッパ状のような形をしており、一見目立ちにくいのですが、
右と左に白い仏炎苞(ブツエンホウ)と緑色の肉穂花序をつけた花が咲いています。
(右側の花はまだ白い仏炎苞が開いていないので緑の肉穂花序は見えません)
果肉はバナナとパイナップルを合わせたような味がするそうです。
花は株が大きくならないと咲かないので、
是非!珍しいモンステラの花を、この機会にご覧下さい。
2020年07月11日(土)
今日のスタッフのおすすめ
〇ゲンペイクサギ(別名ゲンペイカズラ) Aドーム
今回ご紹介させていただくのは、真っ赤な花と、真っ白の萼(がく)がとても対照的で美しいゲンペイカズラの花です。
源氏の白旗と平家の赤旗に見立てて、ゲンペイカズラという名前の由来になったそうです。
白い萼があってこそ、赤い花が引き立つことをゲンペイカズラから教えてもらいました。
花や葉の形、色など自然からは学ぶ事ばかりです。
ご来館の際に、是非ご覧ください。
2020年07月05日(日)
今日のスタッフのおすすめ
〇アガパンサス 前庭
最初は言いにくくて覚えられない花名ですが、ギリシャ語で愛を意味する「agape(アガペ)」、花を意味する「anthos(アンサス)」が合わさった花名です。
梅雨入りの頃に開き始めるアガパンサスの蕾は雨のしずくに包まれているかのようです。
清涼感あるブルーの花を咲かせ、梅雨時期の憂鬱さを癒してくれます。
2020年07月04日(土)
今日のスタッフのおすすめ
〇レンブ Bドーム、Cドーム
7月にも入り夏も本格的に近づいてきました。
本日はレンブをご紹介します。
植物館Bドームのレンブが今真っ赤な実を付けています。「Wax Apple」と英名があるように、ツルツルと光沢があり、真っ赤な色の実を付けています。
果実の形が西洋梨にもベルのようにも似て見え、沢山実っておりますと、まさに「鈴なり」ですが、あいにく今年は少し控えめに実をつけています。その年によって沢山の実を付ける年もあれば、そうでない年もあります。色鮮やかな実が、生い茂る葉の中から見つけられると私たちスタッフも嬉しくなります。
原産地はマレー半島。台湾、マレーシア、インド、フィリピン等の熱帯から亜熱帯の地域で広く栽培されているようです。日本では沖縄で見かけられます。
春頃から次々に白いほわほわとした沢山の雄しべが付いた花を咲かせながら、結実させていきます。そして、毎年同じ時期に実を付けるCドームのレンブは、Bドームのレンブに比べると今年は少し遅れて花が終わった頃です。その時々違う表情を見せてくれるのも植物の魅力ですね。