館内のようす
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Aドーム
大温室に入ると、熱帯の水辺に生息する植物が見られます。音を立てて滝が流れ落ちる池では、熱帯性スイレンの花が揺れ、池の縁では木生シダのヒカゲヘゴが大きな葉を広げます。また、熱帯の河口に生息するマングローブ植物が生い茂り、熱帯の水辺の景観を再現しています。頭上から落ちる滝の下をくぐり、トンネルを抜けるとBドームに入ります。
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フウリンブッソウゲ
ハイビスカスの一種で、花びらが細かく裂けて反り返り、垂れて咲く様子が風鈴のように見える。花は1日で落ちるが、次々に開花して一年中咲き続ける。
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ゾウタケ
世界最大のタケで直径30cm、高さ30mにもなる。東南アジアなどで栽培され、材を建築に用いたり、タケノコを食べたりする。植物館では7~8月にタケノコが出る。
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サガリバナ
東南アジアから太平洋諸島の湿地に生息する。名前のとおり長い花序が垂れ下がり、多数の雄しべが目立つ花は夜に開花して翌朝には落下する。
Bドーム
ダイオウヤシをはじめ、巨大なヤシが林立する中に「熱帯の家」が建っています。この熱帯の家は、屋根の素材にニッパヤシの葉を使用し、風通しの良い休憩スペースになっています。家の周りではヒスイカズラやトーチジンジャーなどの珍しい花が咲きます。また、ココヤシやバナナ、カカオなどが結実し、熱帯地方の人々だけでなく、私たちの生活にも関わり深い熱帯植物が植えられています。
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リョウリバナナ
イモ類のようにデンプン質で、青いうちに収穫し焼いたり揚げたり、料理して食べる。世界で生産されるバナナの約半数が料理用バナナで、熱帯地方では大切な主食のひとつになっている。果実の先にぶら下がる花序も食べられる。
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カカオ
果実の中に数十個のタネがあり、これがチョコレートやココアの原料になる。太い幹にじかに花をつけ、長さ20cmほどの実を結ぶ。
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ヒスイカズラ
フィリピンのルソン島原産の木本性つる植物。花の色は宝石のヒスイを思わせる。自生地では開発が進み、絶滅が心配されている。開花は3~5月。
Cドーム
ここにはタコノキやノヤシ、ムニンヒメツバキなど、世界自然遺産に登録された小笠原諸島の植物が多く見られます。小笠原諸島は、東京都心から1.000㎞も離れた南の海上に浮かぶ亜熱帯の島々です。大陸から孤立しているため、生息する生物は独自の進化を遂げた「固有種」が多く、その中には、絶滅が危惧される種もたくさんあります。出口付近ではマダガスカル原産のオウギバショウの巨大な葉が茂り、大温室の景観をしめくくります。
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オウギバショウ
マダガスカル島原産で、熱帯各地で観賞用に栽培されている。葉の付け根にたまった雨水を旅人が飲んだ、という想像からタビビトノキとも呼ばれる。
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タコノキ
小笠原の乾いた岩場から林の中まで広く分布し、タコの足のようなたくさんの気根を出す。葉で作ったマットや草履は「タコの葉細工」と呼ばれ、お土産として売られている。
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シクンシ
つる性の花木で、熱帯アジアに分布し、沖縄にも野生化している。花は夜咲きで独特の香りがあり、始めは白色だが、しだいに赤色に変わってゆく。果実は駆虫剤になる。
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デイゴやブーゲンビレアなど、熱帯植物の中でも寒さに比較的強く戸外でも栽培できるものを生育しています。春はブラシノキの生垣が花で真っ赤に染まり、夏は見頃を迎えた熱帯性スイレンで絵画のように美しい風景になります。カナリーヤシの木陰が広がる芝生地ではシートを広げ、持ち込みの食事を楽しむことができます。
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オーストラリアは日本のほぼ真南に位置し、気候は熱帯性、亜熱帯性、砂漠性、温帯性と大きく4つの気候に分けられます。この変化に富んだ気候と広大な自然の中、在来植物は約24.000種あるといわれています。そして、バンクシアやカリステモンなど、ユニークな形状をした植物が多いことが特徴です。また、庭園からはオーストラリア原産のユーカリが林立する景観を楽しめます。
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ラベンダーやマジョラム、ミントなど、香りだけでなく食用や薬用、香辛料として利用される様々なハーブを生育しています。隣接する熱帯畑では、夏にジャガイモやワタなどの熱帯原産の作物も育てています。中央に植えられたジャカランダは、6月頃には紫色の花で満開になります。
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食虫植物は、虫を捕らえて自らの栄養分にする不思議な植物です。こうして、栄養を補うことで、湿地や岩場などの栄養分が不足している土地でも生育することができます。ここでは、ウツボカズラやハエトリグサなどの約9種を常時展示し、虫を捕らえる仕組みを解説しています。
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帆船の帆をイメージし独特の形状をしている大温室ドームをキーホルダーにした商品を始め、小笠原諸島の貴重な植物をモチーフにしたグッズなど、様々なアイテムを揃えております。緑に囲まれてゆっくりとくつろぎ楽しみながら植物を学んだ後に、感動と想い出を形として残せるギフトを笑顔と一緒に持ち帰っていただけるよう準備してお待ちしております。
ショップの情報を見る
植物たちのふるさとである熱帯の風景やそこで暮らす人々の生活を、約15分の映像でご紹介します。シネマスコープの大画面とサラウンド方式の音響が、レトロな臨場感をつくりだしています。
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熱帯地域や植物に関する展示を、テーマを変えながら通年で行っています。パネルや写真を使った解説だけでなく、時には実物を展示しているので、子どもから大人まで楽しむことができます。
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このホールでは、植物と人々の生活のかかわりについて、さまざまな角度からわかりやすく紹介しています。明るく広々とした空間を活かした展示やコンサートはもちろん、生きた植物や素材に触れることのできるイベントやワークショップも開催しています。
新江東清掃工場でゴミを焼却した余熱を利用し高温水がつくられています。夢の島熱帯植物館と新江東清掃工場の間にパイプラインが敷設されており常に125℃の高温水が供給されています。夢の島熱帯植物館ではこの高温水を熱源利用し、暖房・冷房を賄っています。
熱源(高温水)は一般の家庭で言うとガス、電気と同じ役割をしています。